新車選びで悩まれている方の中で、ヤリスクロスを検討されている5人家族の方は多いのではないでしょうか?
コンパクトSUVながら優れた燃費性能と使いやすさで人気のヤリスクロスですが、実際の乗車定員や後部座席の快適性については、特に注意深く確認する必要があります。
この記事では、実際のオーナーの声や専門家の意見を基にヤリスクロスの後部座席の広さや乗り心地、チャイルドシートの設置可能台数など、5人家族が知っておくべき重要なポイントを徹底的に解説していきます。
車選びで失敗したくないご家族様に向けてヤリスクロスの実用性と限界について、具体的な数値やシチュエーションを交えながら詳しく説明していきます。
ヤリスクロスは5人家族には狭い?
ヤリスクロスは、トヨタが展開するコンパクトSUVの中でも人気の高いモデルです。
全長4,180mm、全幅1,765mmというサイズは、駐車や市街地での運転がしやすい大きさとなっています。
しかし、この「扱いやすさ」は、時として室内空間とのトレードオフとなることがあります。
後部座席の実測値を見てみると、肩幅が1,430mmとなっており、これは同クラスのSUVと比較しても標準的な数値です。
ただし、大人3人が並んで座る場合、それぞれの体格にもよりますが、肩と肩が触れ合うような状況になることが多いです。
特に注意が必要なのは、中学生以上の子供が2人以上いる場合や祖父母を含めた大人5人での外出が多い場合、また休日のレジャーで長距離移動をする機会が多い場合です。
このような状況では、車内の快適性が著しく低下する可能性があります。
また、室内高についても触れておく必要があります。後部座席の天井高は約950mmありますが、身長170cm以上の方が座る場合、頭上空間に余裕があまり感じられないという声も聞かれます。
長距離の乗り心地は?
長距離移動時の乗り心地は、車選びにおいて重要なポイントとなります。
ヤリスクロスの後部座席については、シートクッションは適度な硬さで疲れにくい設計となっておりホールド性も比較的良好です。
リクライニング機構付きで角度調整が可能であり、座面の奥行きは約450mmとなっています。
ただし、長時間のドライブでは様々な課題が出てくる可能性があります。
まず、足元スペースについては前席の位置によって大きく変化し、膝周りの余裕が少なくなりやすく足を組み替える余裕も限られます。
姿勢については背もたれの角度調整は可能ですが、その範囲が限定的で長時間同じ姿勢を保つ必要があり、体を伸ばすスペースも限られています。
さらに、振動や揺れについても考慮が必要です。
サスペンションの特性上、後席では振動をやや感じやすく路面の状態によっては疲れを感じやすい傾向にあります。
特に中央席では揺れを感じやすい特徴があります。
後部座席を下げて広くする工夫が必要!
後部座席のスペースを広げたいという要望は多く寄せられていますが、物理的な改造については様々な理由から推奨されません。
法的な問題として車検時に不適合となる可能性が高く、保安基準に抵触する恐れがあります。
また、事故時の保険適用に影響が出る可能性も考えられます。
技術的な面では車体強度への影響やエアバッグシステムへの干渉、そして衝突安全性能の低下といった深刻な問題が発生する可能性があります。
ただし、限られたスペースを有効活用する工夫としてシートアレンジの活用が考えられます。
6:4分割可倒式シートの特性を活かし、必要に応じて片側だけを倒すことで荷物との併用を考慮したアレンジが可能です。
またシート下の収納スペースやドアポケット、センターアームレストの収納なども効率的に活用することができます。
後部座席に3人乗るのは狭い
後部座席のスペースについて、具体的な数値を見ていきましょう。
座面幅は1,430mmあり、このうち中央席が約400mm、両サイド席がそれぞれ約515mmとなっています。
これらの数値から実際の使用時にいくつかの課題が浮かび上がってきます。
大人3人での着座時には肩幅に余裕がなく、常に接触する状態となります。
特に中央席の方は両隣の乗員と密着することになり、エアコンの効きも不均一になりやすい状況が発生します。
また子供を含む3人での着座については小学生までなら比較的快適に過ごせますが、チャイルドシート使用時は実質2人分のスペースとなってしまい、学年が上がるにつれて窮屈さが目立ってきます。
長距離移動での問題も見逃せません。
姿勢の変更が困難であり、温度管理も難しくなります。
さらに、荷物の置き場所も限定的となってしまいます。
チャイルドシートを使うと何人乗れる?
チャイルドシートの設置については、より詳細な検討が必要です。
ISO-FIX対応については左右の後部座席に装備されており、トップテザーアンカーも付いていますが中央席には非対応となっています。
チャイルドシート設置時には前席の調整が制限され、中央席の使用が実質的に困難になります。
また、乗り降りの際の動線確保も重要な考慮点となります。
装着可能なチャイルドシートとしてはISO-FIX対応シート、シートベルト固定式、ジュニアシートなどがあります。
年齢による使い分けとしては新生児から4歳頃までは後ろ向き・前向きチャイルドシート、4歳から7歳頃まではジュニアシート、7歳以上になると普通に着座という流れが一般的です。
実際の乗車人数としては大人2人とチャイルドシート2台の組み合わせ、あるいは大人2人とチャイルドシート1台と子供1人、または大人2人とジュニアシート1台と子供1人といったパターンが現実的な選択肢となります。
まとめ
ヤリスクロスは都市部での使用や日常の買い物など、コンパクトなサイズが活きるシーンでは非常に使い勝手の良い車両です。
しかしながら5人家族での使用、特に中学生以上の子供がいる場合や、3人以上の子供がいる場合、あるいは祖父母との外出が多い場合などはより大きな車種の検討を推奨します。
使用シーンとしても長距離移動が頻繁にある場合や、複数のチャイルドシートが必要な場合、大人数での移動が多い場合には注意が必要です。
また、快適性を重視する場合は後部座席の広さに制限があることや荷物との併用に工夫が必要なこと、乗員の体格による制約があることなどを考慮する必要があります。
実際の購入を検討される場合は家族全員での試乗やチャイルドシートの実際の装着確認、普段の使用シーンを想定した荷物の積載確認、駐車場所の確認、維持費の計算などを行うことをお勧めします。
これらの要素を総合的に判断し、自家用車として最適な選択をすることが重要です。
ヤリスクロスの特徴を理解した上で、ご家族の生活スタイルに合わせた車選びをしていただければと思います。
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